未練を果たさない幽霊(七川過去)

俺はこう教わった。
         「一聞いて十を知れ」
                       そんな事俺に出来るわけがないだろうが。

俺は昔から病弱な上、体がものすごく弱くて学校にもほとんど行っていなかった。
だから俺には憧れているものがあった。例えば「幸せ」。例えば「笑顔」。
…でもそんな普通のことが本当は一番難しくって。
俺の唯一の友達はゲームだった。
でも勿論勉強は自力でして。
周りの子に追いつけるよう…普通になれるように必死に頑張っていた。
たまに学校へ行った時は、みんなより勉強の範囲が狭くて、先生に教えてもらった。
だけど流石に多すぎて基本的なことだけを教えてもらっていた。
一つ一つ教えると時間がかかるから。先生は俺にこう言いながら教えてくれていた。
「一聞いて十を知るんだよ。」
って。一つの事を聞いて自分で考えてたくさんの事を知る。…俺には難しかった。
まぁ出来る限りの事は尽くした。
勉強に倒れない程度の運動。コミニケーション。
…でもやっぱり差は出る。
俺は誰よりも全てが出来ていなくて。
他の人とよく比べられたり、罵声を浴びせられるなんて当たり前だった。

「お前は何で--みたいに出来ないんだ?!」

「誰に似たのかしら」
「一聞いて十を知ることもできないのか聡四郎は!」
「さすが落ちこぼれ。何もできないじゃない。」
「弟の方がまだいいんじゃない?」
「そんなんだから事故って左足切断する羽目になったんだよ!」

って。…もうやんなってさ、俺は部屋に引きこもるようになった。
病院にもいかないで。
薬だけに頼ってゲームだけをしていた。
ゲームだけが生きがいだった。
寝ないでゲームをしていた。睡眠時間を削って。
わざわざみんながクソゲーと言って捨てるゲームを貰って。
理由は俺はこう思っていたからだ。

『クソゲーでもやり込めば神ゲー。みんながクソゲーというゲームは『面白くない』というレッテルを剥がせばいいだけ。俺みたいで可哀想だから俺がやり込んで神ゲーにしてみんなに広めてレッテルを引き剥がしてみせる。…でも神ゲーでもやり続けると飽きる。人生もそうだ。はじめの数年は最高かもしれないが、長く生き続けると飽きる。始まりでクリア率も決まる。…そしてエンドが《死んで消えて忘れられる》この一つしかなくつまらない。コンテニューもない。それにプレイヤーによれば始めた瞬間《GAME OVER》の可能性だってある。…この世でいちばんのクソゲーは人生というゲームだ。』

ってさ。本当のことだろ?だって生まれた瞬間から才能を持ってる奴はチートだろ?持ってない奴もいる。俺は後者だが。まぁ人生をクソゲーというくらいなら神ゲーに変えてみろっつー話だよな。
そして俺はとあるゲームをクリアするのに必死だった。
みんながクリアできないからって『クソゲー』というレッテルを貼ったゲーム。
俺は飯も食わないで寝ないでやり続けた。
だんだん病気の症状が悪化しているのもわかっていた。残りが短いことだって薄々気づいていた。
でも俺はGAME OVERになる前にこのクソゲーを神ゲーに変えてやりたかった。
睡眠時間がなくなっていっていた。7時間が、三時間、2時間、1時間、30分、0分って。
そして寝ないまま数日が経った。
あと少しで。このステージをクリアしたらこのゲームのレッテルを引き剥がしてやれる。
…コントローラを持つ指が震える。うまくボタンを押せない。真夏なのに何故か寒い。
まだGAME OVERは嫌だ。せめてこのゲームをクリアしてから。
頼むから。…ゴールはあと少しだから。
…そう願った瞬間、コントローラを持っていた手が自分の意思で動かせなくなった。
だんだん瞼が重くなって意識が遠のいた。…そして俺の命の糸が途切れた。

…ここはどこだろうか、見覚えのない風景。俺は死んだはず。…あの世って奴だろうか。
そう思ったが明らかに違う。普通に人歩いてるし。…俺は場所を聞こうとしてそこにいた人の方を叩いた…だが、透けた。…さわれなかった。やっぱり死んだんだ。
あのゲームをクリアできなかったから幽霊になったのか、ハハッ、やっぱりだせー、。
幽霊なのに何故か頭のアレがないし、完全には透けれないし、乗り移れない。なんか自分周りに変な魂がウヨ付いている。それになんか変な能力に顔に変なマーク。
やっぱりこっちでも落ちこぼれか。
そう思って俺はあのゲームもう一度やり直して本当に消えてやろう。と考えた。
…だが、俺は面白そうなのを見つけた。昼夜戦争って奴だ。
それなら退屈しなさそうだった。それに情報って資料とかパソコンとかだろ?
俺の唯一の得意分野だ。頭脳とタイピングの腕には自信があるから。
…ここだったら誰かのために働ける。
もし飽きたら未練を消してこの世から本当に消えればいい。
…まぁ、この昼夜戦争ってのに期待はしているのだが。
まだ俺に『期待』って感情が残っていたのに驚きだ。
…昼夜戦争…この神ゲーを飽きない程度に楽しんでやる。

    『一聞いて十を知れ』
         …これは難しいかも知れないが、
              『その一瞬を精一杯楽しめ』
                     これなら俺でもできるはず。
                          チャンスは二度も戸を叩かないらしいから。
                                            後悔がないように。
-------------------キリトリ✂︎--------------------
ソウシロウの過去です!
生前のソウシロウにはしっかり漢字で名前があって
『七川 聡四郎』
という名前でした!
聡四郎は五人兄弟の4番目で、一番初めに死んでしまいましたー、
途中の罵声はその兄弟と両親からです。
ソウシロウは『生前のことは何も覚えていない』
っていってますがバッチリ覚えています!
ちなみに半人半霊の理由は消えかけの肉体を持っているからです。だから完璧には透けれなくて、一部しか透明になれないんですよ。
能力の『praying game』はもちろんあの例のゲームです。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございましたー!つらつらと薄っぺらい文章並べてすみません!!

  • 最終更新:2018-11-10 13:07:20

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