しせつ


レテル「…ーー……~……~~~………」( いつかレヴォンが唄い、自分は鯨笛を吹き、そして×××が舞った「妖艶なる蝶と華」を口ずさむレテル。後ろから抱き締めるように立たされた人形を、×××の動きを思い出し それに合わせて手足を動かす。代償を払うことを許されなかった能力で作られた脆い人形からは×××の煙管の煙と同じ匂いが漂い、色の違うボタンの目は赤い方がほつれている。「あとで治してあげるね」と人形の胸に顔を埋め、寂しいような、幸せそうな顔で笑う。部屋の外、受付の方からレヴォンの声が聴こえる ) レヴォン「レテル、そろそろ出ておいで。皆に赤ちゃんみたいねって笑われちゃうわよ?」( それでもいい。赤ちゃんだって笑われても構わない。だってここには×××が居る。いつまでも甘えていたい、いつまでもこうしていたい。愛する人というわけでもないが、こうして傍に居ると安心する。×××は、レテルのこと嫌いじゃないよね?だって、こんなにも頭を撫でてくれる。こんなにも優しくしてくれる )

レテル「……×××、レテル、おりこうさん か?」×××「………………」レテル「×××、レテル ×××大好き 、×××はレテル 嫌いか?」×××「………………」( ×××は、いくらレテルが話しかけても なにも返してくれない。でも、どこにも行かないってことは×××、レテルのこと嫌いじゃないよね?ドアが開く。レヴォンが心配そうにレテルを見下ろす。) レテル「……なに?」レヴォン「…レテル、もうやめて…ね?そんな人形、もう…」レテル「人形、どれ?」( レヴォンはおかしな事を言う。人形なんてここには居ない。レテルと×××しかこの部屋には居ない。もしかして、まだ着せ替え人形のBebeを捨てていなかったのかな。部屋を見渡してみるが、ぬいぐるみも着せ替え人形も、何も無い。)

レヴォン「……レテル、その×××…」レテル「その、違う。×××、人。…妖?レヴォン、失礼。」( ×××に向かって"その"だなんて。いくらレテルでも、そんな事は言わない。最近のレヴォンは変だ。本当に変だ。どうしてそんなに×××の事を悪く言うのだろう。どうして×××の事を、物のように扱うのだろう。確かに最近の×××はお人形さんみたくお話しなくなっちゃったけど、レテルの隣で煙のでる棒を咥えて レテルの隣で笑って レテルの頭を撫でてくれることに変わりはない。いつかまた、あのさくらの木の下に行こうね。いつかまた、あの草原で レテルのくしゃみで踊り切れなかった舞をやりきろうね。いつかまた、レテルのこと ×××がいい子いい子してね。いつか、いつかまた___

____l'eternite、って呼んでね。」

  • 最終更新:2019-04-02 21:38:27

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